カンボジアの宝、アンコール・ワット散歩。

旅行

東南アジアの世界遺産と言えば、「アンコール・ワット」を挙げる方も多いと思います。
アンコール・ワットのあるカンボジアの首都はプノンペンですが、アンコール・ワットはそれよりも北部にある、シェムリアップという街にあります。

カンボジア人のほとんどは、クメール族と呼ばれる人々で、アンコール・ワットを建造したクメール王朝の人々が彼らのルーツです。

「アンコール」はサンスクリット語で「王都の」、「ワット」はクメール語で「寺院」という意味だそうです。

英語が日本でカタカナを使用した横文字でたくさん使われているように、当時のクメール人たちも、古代インドのサンスクリット語の言葉を多く借用していたようです。

アンコール・ワットは、ヒンドゥー教の寺院として建造され、当時はヒンドゥー教の聖地のあるインドが彼らにとっての最先端の地だったのでしょう。

そんなアンコール・ワット散策です。

引用:クロマーマガジン

西側の堀からアンコール・ワットを望みます。

西塔門の向こうにアンコール・ワットの祠塔の連なりが見えます。

本来は、写真の左側の橋が参道なのですが、現在は修復中のため、写真右側の仮設の橋を渡ってアンコール・ワットに向かいます。

西塔門を超えて中央の参道に戻り、アンコール・ワットを正面に眺めながら近づいていきます。

参道に近づくにつれ、第一回廊の入り口が見えてきました。

参道の左右にある池から、水面に映ったアンコール・ワットが見られますので、風が無くて水面が穏やかな時に参道を降りて行ってみましょう。

第一回廊の入り口です。

第一回廊に入ると、美しいレリーフが続きますので、時間を充分にとって見学します。

回廊の直線が見事です。

回廊にはヒンドゥー教の逸話を描いたレリーフが彫られています。

これは、アンコール周辺の遺跡によく描かれる、「乳海攪拌」と呼ばれる物語。

「乳海攪拌」は、神々と阿修羅たちの、「アムリタ」という不老不死の妙薬を巡る争いの物語です。

海から現れるという「アムリタ」を手に入れるため、神々と阿修羅が一時休戦し、大海の巨大な亀の王の背にそびえるマンダラ山に巨大な蛇「ナーガ」を巻きつけ、お互いで引き合いマンダラ山を回転させ、海を攪拌するシーンです。

このシーンはアンコール地域ではポピュラーで、橋の欄干や参道の入り口などにナーガ像が多く見られます。

アンコール・トムの南門の参道には、参道の左側のナーガを模した欄干の支柱に神々の像、右側の支柱には阿修羅の像が使われています。

これは死後の世界を描いたレリーフ。

水牛に乗った、死後の世界の主「ヤマ」が亡者を裁く姿が描かれています。

「ヤマ」は夜摩とも訳され、日本の仏教でも「閻魔大王」として有名です。

また、夜摩は南方の守護神とも言われており、アンコール・ワットでも回廊の南面のレリーフに描かれています。

回廊を巡り、中心部へ向かいます。

第二回廊の内側から、第三回廊を見上げると見事だなあと実感します。

第三回廊へは週に一度ある、仏足日という仏教の日には登ることができません。

仏足日は曜日で決まっていないので、調べておきましょう。

その他の日には、8:00から16:30までの時間に登れますが、一度に100名までの人数規制があります。

観光客が多く100人に達するときには、降りた観光客の人数しか登れないので並ぶ必要がある場合があります。

また聖地なので、肩や膝の露出した服装では登れません。

写真の通り、第三回廊への階段はとても急なので、12歳以下のお子さんや、妊婦の方も登ることができませんので、注意しましょう。

アンコール・ワット第三層はそれほど大きなスペースではありませんが、デバターと呼ばれる女神像や、祠塔を間近で見学できます。

歩いてきた、西塔門からの参道を最上層から見下ろせます。

第三層の見学を終えたら、アンコール・ワットの裏側にも足を延ばしてみます。

観光客も少なく、とても静謐な雰囲気です。

静かな裏参道を歩くと、修復されていないアンコールワットの裏門があります。

木々に囲まれ、静かで爽やかな場所です。

時間があれば、行ってみるのもいいかもしれません。

2019年、アンコール・ワット周辺旅行記(前編)へ。

2019年、アンコール・ワット周辺旅行記(後編)へ。

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