邦題「NO EXIT/ノー・イグジット」
原題“CRUSH THE SKULL”
2015年(アメリカ)ミステリー
感想:★★☆☆☆
監督:ヴィエ・グエン 他作品なし。グエン姓なのでベトナムの方でしょうか。
キャスト
ブレア(ケイティ・サヴォイ)
ヒロイン。泥棒だが足を洗おうと考えている。恐怖や緊張を感じると笑いだす、必要性の微妙な癖がある。
オリー(クリス・ディン)
ブレアの相棒兼恋人。アジア系。ブレアの兄、コナーとの仕事で2度服役しており、コナーとは折り合いが悪い。脚本も参加。
コナー(クリス・リーデル)
ブレアの兄。泥棒グループの元締めだけど、頭良くない。
ライリー(ティム・チョウ)
コナーの舎弟。やっぱり頭良くない。
ビビアン(ローレン・リーダー)
ブレアたちが盗みに入った家の地下に監禁されていた少女。
殺人者(ウォルター・マイケル・ボスト)
不気味なおじさん。
あらすじ
プロローグ
コンクリートの小さな部屋。ベッドに足を鎖で繋がれた少女が監禁されている。
突然ドアが開き、少女の母親が助けに来るが、娘とドアを出ようとしたところで正体不明の男に刺殺されてしまう。
本編あらすじ
ブレアとオリーは恋人同士の泥棒カップル。
ブレアの願いで最後の仕事のため、裕福そうな邸宅に入り込むが、留守のはずの家の妻が浮気相手を連れて帰宅。クローゼットに隠れるも、さらに妻の浮気を疑っていた夫が拳銃を手に帰宅。
修羅場に巻き込まれます。
ギャグじみたドタバタの最中、何とか修羅場を後にブレアとオリーは逃げ出すことに成功しますが、オリーは「殺されそうな間男を放ってはおけない。」と謎の正義感を発揮し、ひとり屋内に戻ります。
しかし、時すでに遅く、間男と妻は銃殺。夫は弾切れの拳銃を自分に向けて引き金を引き続けているのでした。
間の悪いオリーは駆け付けた警官に逮捕され留置場でくだんの夫の悪夢を見ます。
逃げ延びたブレアは、同じく泥棒家業の兄、街の顔役に借金をしてオリーを保釈させます。
借金の返済のため、ブレアは兄、コナーの仕事を手伝うことになり、コナーの舎弟のライリーとオリーの4人で郊外の留守宅に忍び込むことになるのでした。
ブレアの兄、コナーと折り合いの悪いオリーは留守宅に他の3人が忍び込んでいる最中、外で見張りをしていましたが、3人と連絡がつかなくなったため、天窓から侵入します。
オリーが高い天窓から落ちるように侵入した屋敷の内部は荒れ果てており、生活感がありません。
また、強化ガラスの窓や扉は内側からは鍵を開けられない造りになっており、3人と合流したオリーは屋敷に閉じ込められていることを知るのでした。
オリーたちが屋敷を調べていくと、地下室にスナッフ映像のDVDが山積みになっているのを発見し、住人の異常さに恐怖を覚えます。
侵入した天窓も閉められていることに気づき、異常な住人に侵入を気づかれていることを知った彼らは、脱出方法を探すうちに地下通路に迷い込みます。
地下通路を進むうち、一室に監禁されているビビアンと出会いますが、機械仕掛けで稼働する壁のために4人は分断されていくのでした。
今回のオチ。
よくある、窃盗団が忍び込んだのは殺人鬼の館でした話です。
似たような設定の「ドント・ブリーズ」と比較されるようですが、あちらは大御所サム・ライミが製作に関わってます。
「ノー・イグジット」は「ドント・ブリーズ」よりも前の作品なので、パクリではないはずです。
こちらは製作もキャストもアジア人が多く、新進の作品としてはよくできていると思いますが、いろいろ突っ込みどころが多い作品です。
地下迷宮のような通路、手術室のような拷問部屋など、舞台は作りこまれているのですが、登場人物がいまひとつ。
シリアルキラーが、ネルシャツにジーパンの地味なおじさん。
ドタバタの多い本作では、不気味な佇まいも、ぼーっとしてるように見えてしまいます。
じぶんちの拷問部屋の拘束用ウインチで首をつられて、そのまま反撃もなく没。
原題がクラッシュ・ザ・スカルなのですが、正体不明の殺人鬼を爽快にやっつける話でもありませんでした。
伏線と回収はそこそこあったので、ストーリーへの絡みがもう少し強ければ深みも出たかと思います。
監禁されていたビビアンも案の定、殺人鬼の仲間で、ブレアにも気づかれたままどんでん返しもありませんでした。
プロローグの少女がビビアンだったのですが、「ですよね」としか言えません。
エピローグでも登場しますがここでも意外性もなく、おじさんに、本来の名ではなくビビアンと名前を付けられ育てられました、ってだけでは昨今驚きません。
テンポは悪くなく、安いCGでごまかした作品ではなかったので、脚本がもう少し捻られていると面白くなりそうです。
今後に期待しましょう。